全身を蝕む歯周病
2015.05.09更新
『歯周病は、身体全身に影響を及ぼす病気です。』
日本は、8年前に「超高齢社会」に突入しました。
その後も高齢化率は上昇しており、2015年現在は65歳以上の方の割合は4人に1人となりました。
私の父もこの年齢に入り、父が身体の不調や認知症発症に対する不安をもらしているのを耳にすると、決して他人事ではないと感じます。
このことをきっかけとして、歯科の分野から全身の健康についてどのようなアプローチができるのかを調べてみました。
そうしたところ、思った以上に口腔内の問題、中でも「歯周病」が深く深く関係していることに驚きました。
家族、身近な人、そして一人でも多くの方にお伝えしていきたいと思いまして、このテーマを書かせていただきます。
1、そもそも歯周病とは
歯周病とは、細菌の塊であるプラークが、歯や歯茎に付着し、歯の周りの組織に炎症を起こす病気です。
歯周病菌が歯茎の奥まで入り込むと、歯を支えている骨が失われていきます。
この骨の量が減り続けると、歯を支えきれなくなり、痛みがないまま抜け落ちるということになります。
更に進行すると、増殖した歯周病菌が、血液や肺に入り込んで全身の健康状態に影響を及ぼすことになります。
2、歯周病が及ぼす影響とは
日本人の死亡原因は、
1位 がん
2位 心疾患
3位 脳血管疾患
4位 肺炎
と続きます。
このうち、まず2位の心疾患と3位の脳血管疾患と歯周病の関係性について述べてまいります。
血液がドロドロになって流れにくくなることで血管が詰まり、栄養が行き届かなくなった心臓周囲の筋肉が死んでしまうのが心筋梗塞、脳の血管が詰まると脳梗塞、血管がもろくなって破れると脳出血となります。
では、死亡原因の上位を占めているこれらの病気と、歯周病がどのように関連しているのか。
それは、歯周病が進行することで歯周病菌が血液中に入り込むと、血液をドロドロにしたり、血管をもろくする毒素を吐き出すことが影響しています。
歯周病に気づかずに長期間放置すると、その毒が常時体中を駆け巡り、複雑で細い血管が密集している心臓や脳付近で留まることになります。
また、この毒は血管そのものをもろくして破れやすくします。
次に、4位の肺炎についてですが、90~99歳だけで見てみると心疾患に次いで肺炎が第二位になります。
高齢者の肺炎の90%以上を占めるのが、「誤嚥性肺炎」です。
「誤嚥性肺炎」とは、口の中にいる細菌が気づかないうちに気道を通って気管支や肺まで到達する感染症です。
この誤嚥性肺炎も、お口の中の環境を整えることで予防をすることができます。
調べを進めてみると、その他にもお口と全身の健康との関わりはまだまだありました。
・歯周病を放置している妊婦さんは、早産を引き起こしやすい。
・歯周病と糖尿病は、相互に足を引っ張り合い悪化を早める。
・口内環境が悪いと事故などの外的損傷の際に、感染症を起こしやすく重篤化しやすい。
3、さいごに
日本の成人の8割を超える人が歯周病にかかっていると言われています。この事実は、日本人の死亡原因上位の病気が歯周病と関係しているということと少なからず因果関係があるのでは、と疑わずにはいられません。
確かに、病気にかかる場合には他の様々な要因も関係していますが、口腔内の環境を日頃から整えておくことで、軽い症状で済んだり命が助かることもあるはずです。
歯周病の治療を行うことで、そして治療が済んでからの予防を継続して行っていくことで、全身的な病気の予防につながることをみなさんにお伝えできたら幸いです。
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文章作成:院長 谷澤
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